顧問料は同じはずなのに、なぜかあの顧問先だけ、毎月ぐったり手間がかかる——。
採算が合わない顧問先には、共通点があります。手間を減らす仕組みを一つ渡せば、値上げや撤退を考える前にできることがあります。
そんな感覚に、心当たりはないでしょうか。記帳代行は「件数 × 単価」で成り立っているように見えて、実際の採算は、顧問先ごとの“作業量”で大きく変わります。今回は、記帳代行が赤字になりやすい顧問先の特徴と、顧問料を上げる前にできることを、現金商売の例から考えます。
記帳代行が赤字になる顧問先の、4つの特徴
赤字になりやすい顧問先には、いくつか共通点があります。
- 資料が毎回バラバラで、後出しで届く。レシートの束、LINEの写真、口頭での補足……。記帳に入る前の「整理」だけで時間が溶けていく。
- 記録が「ない」状態から始まる。本来は顧問先がつけるはずの記録を、事務所が肩代わりして一から作っている。
- 売上と人件費の確認往復が多い。「この日の売上は?」「これは誰の歩合?」というやり取りが、毎月くり返し発生する。
- 毎月の“思い出し入力”で精度が低い。あとから記憶を頼りに起こすため金額がずれ、確認作業がさらに増える。
1つでも当てはまると要注意。これらが複数重なっている顧問先は、たいてい気づかないうちに持ち出しになっています。
なぜ、現金商売の顧問先に多いのか
こうした特徴は、現金商売のお店に集中しがちです。理由はシンプルで、売上がその場で現金として発生するのに、それをその場で残す仕組みがないから。レジやPOSがあっても、人件費や歩合まではカバーしていないことが多く、結局「あとからまとめて」になります。
つまり、赤字の原因は顧問先の人柄ではありません。記録の“入口”に仕組みがないこと——ここに尽きます。
顧問料を上げる前に、手間そのものを減らす
赤字の顧問先に対して、まず思いつくのは「顧問料の値上げ」かもしれません。けれど、作業量が変わらないまま単価だけ上げても、顧問先は納得しにくく、関係もぎくしゃくします。先に効くのは、手間の“量”そのものを減らすことです。
- 入口を変える:あとでまとめて、ではなく、顧問先がその場で記録する形にする。
- 受け取る形を揃える:バラバラの紙ではなく、毎回同じデータで届くようにする。
- 確認往復を減らす:誰にいくら(歩合)まで、記録の時点で確定させておく。
Cashryは、まさにこの“入口”を変えるためのツールです。売上とスタッフへの支払いをその場で記録し、事務所が受け取りやすいデータに整えます。分類・入力・確認の往復が減れば、同じ顧問料でも採算は戻ります。
採算は「単価」より「作業量」で決まる
記帳代行の採算を左右するのは、顧問料の高さよりも、1件あたりにかかる作業量です。手間の多い顧問先を切るのではなく、手間の“構造”を変える。そうすれば、これまで赤字だった顧問先が、ふつうに回る顧問先に変わります。そして顧問先にとっても、「自分の数字が見えるようになる」という副産物がついてきます。